インターネット講座 -(10)-
桃太郎とアクティブ人生論(1)


 この講座もいよいよ最終回を迎えま す。

 今回は「桃太郎とアクティブ人生」についてと題し、私の桃太郎研究 の集大成としたいと思います。

 桃太郎は世界中で最も優れた童話であると言われています。
 この童話は「個人の生活」から「社会の発展」「国家の発展」そして 「人 類の幸福」に至るまで、あますところなく説明してくれているからで す。
 素朴な童話ではありますが、よくまとまった東洋思想の宝庫でもあ り ます。
 日本人が綿々と受け継いできた倫理観と西欧諸国のボランティア精 神(アクティブ行動)の双方を兼ね備えたキャラクターが 桃太郎と言えましょう。

 精神の根本を「智、仁、勇」に置き人生の幸福を願う「桃太郎物語」 は、子供に勇気を与えるとともに、大人がいかに社会参 加すべきかを提言しています。
 人類の悲願は人間の幸福はいかに達せられるかということですが、 新しい世紀に至っても暗中模索の状態です。
 世の中は悪と善の戦いと言われますが、最近の日本人には、夢も 希 望もなくなっています。
 善悪の区別がつかなくなった現代の日本人、鬼退治どころか鬼に 支 配され悪事の片棒を担がされています。

 村上龍著「希望の国のエクソダス」によれば、日本の子供たちには 「希望」がなくなっていると警告し、次のように表現しています。

 『この国には何でもある。本当に何 でもあります。だけど希望だけが ない』

 昔、北海道大学のクラーク先生は「少年よ大志を抱け」と激励しまし た。
 今は「大志」どころか、「小志」のかけらのなく、もっと深刻なことに 「希 望」すらなくなっています。
 これを聞いたら、クラーク先生はクラークなられることでしょう。

 富山社会人大樂塾では、失われた桃太郎スピリッツを復活するた め 「社会人塾」を開設しその合言葉として「青少年よ夢をもて」「中高年よ 大志を抱け」と訴えています。
 塾では、塾生一人一人が桃太郎になり、人間社会の鬼退治をしよう と 「エコマネー夢たまご」を 発行しボランティア活動の推進を呼びかけて います。


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